旬の歳時記 あわび 2012.07.10 食べ歩き , 和食 , 神戸 , 貝類 Tweet 神戸の「あわびや」では、水槽で大量の鮑が出陣の時を待っていた。 財布を握りしめて、次々と頼む。 丸かじりに水貝、ぢごく焼きにバター焼き、そしてしゃぶしゃぶ。 出汁に潜らせた薄切りは、充分な汁気があり、豊かな海の香りが爆ぜる。 さらに肝の塩辛を入れた雑炊は、磯香と鮑の甘みを吸った米のうまいこと。 そのたくましき海のもてなしには、古来日本人が「精をまして命を長くす」と尊び、もてなしの象徴とした意が滲んでいた。